普段の話から、ゲームの話まで、色々あります。
BL話も入る可能性があります。
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捏造出会い話から始まりまして。
堂島家で再会してすぐの話。
堂島家で再会してすぐの話。
【再会】
会うのは、今回を入れると二回目になるのに、初めましての挨拶をしてくれた。
俺としても、そっちの方が良かったから、正直助かった。
叔父さんに、事前に八十稲羽に来ていることは知られたくなかったからだ。
駅に着いて、菜々子の初めましての言葉を聞いた時、記憶を持っているのが俺だけなんだと改めて思い知らされた。
それが悲しかったけれど、俺はそれを顔に出さないように気をつけていた。
「あーあ、堂島さん寝ちゃったよ」
「なら、叔父さんを寝床に連れて行かないと」
「僕が連れて行くよ。案内してくれる?」
「有難うございます。こっちです」
足立さんに手伝ってもらって、酔いが回って寝ている叔父さんを、布団に寝かす。
「堂島さんも寝た事だし、僕は帰ろうかな」
「お疲れ様でした」
「帰る前に、君、堂島さんの甥っ子だったんだね」
「それを言ったら、足立さんも刑事さんだったんですね」
「刑事には見えなかったって言いたいわけ?」
「正直に言ってしまえば、見えなかったです」
「はっきり言うね」
「俺、正直者なんで」
「まあ、いいや。僕、帰るから、堂島さんによろしく言っておいてよ」
「はい」
帰っていく足立さんの背中を見つめる。
俺が転入したその当日、山野アナの遺体が見つかった。
それは、足立さんが彼女をテレビの中に落とした事になる。
それを知っていても、話す事なんて出来ない。
何で知っているのかという話になってしまう。
記憶を持っているのが、こんなにも辛いものだとは思わなかった。
俺は、前回自分が通った道をもう一度通る事になる。
見たくなくても、見ざるをえない。
記憶なんて無くなればいいのに…。
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