普段の話から、ゲームの話まで、色々あります。
BL話も入る可能性があります。
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足主話。
今回は、ループはしてません。
恋人にはなってます。
ネタバレになるけれど、一人で会いに行った時の話。
本編まるっと無視の捏造です。
まあ、2012年に発売されてるゲームだから大丈夫でしょう。
今回は、ループはしてません。
恋人にはなってます。
ネタバレになるけれど、一人で会いに行った時の話。
本編まるっと無視の捏造です。
まあ、2012年に発売されてるゲームだから大丈夫でしょう。
【選ぶのは】
真犯人が誰かを考えれば考えるほど、全ての条件に一致していたのが足立さんしか居なかった。
そんな事は無いと思っていても、一度膨れ上がった疑惑は消えることは無かった。
皆に、足立さんかもしれないと告げたのは、ただ俺が信じたかったのだと思う。足立さんが真犯人じゃないと。
だけど、俺の願いも虚しく本人が自分で認めた。
追い求めていた真実は、俺にとっては絶望でしかない。
だから、俺を呼んでいるかもしれないと聞いた時、会いに行く事を決めた。
それは、皆との約束を破る事になるかもしれない。
そうだとしても、俺はあの人と話さないといけない。
真犯人だとしても、俺にとっては…。
「君一人なんだねぇ。いつも一緒に居るお仲間はどうしたの?」
「足立さん!」
「そんなに大きな声を出さなくても聞こえてるよ。で、何で一人で来たの?」
「あなたに聞きたいことがあるんです」
「僕に聞きたい事?何を聞きたいわけ?」
「どこまでが本当の足立さんだったんですか?」
「どこまでって…君と恋人になった事を含めて聞いてる?」
「はい」
「全部嘘だよ。本当の僕なんて見せてない。君ともただの遊びだよ」
「そうですか…」
遊びだと言われた時、冷静に聞けてる自分に気づいた。
悲しいとか、そういう感情は出てこなかった。
「案外普通だね」
「何となく、そうなんだろうと思ってましたから」
「へぇー、それなのに僕と関係を続けていたんだ」
「それでも、足立さんと居られるならいいと思ってましたから」
「…言ってて恥ずかしくないわけ?」
「本当の事ですから」
「あのさ…今の状況分かってるよね?」
「分かってますよ」
「分かっていて言ってるようには思えないけどね」
「そんな事はないです。真犯人だと分かった今でも、俺はあなたが好きですから」
「話にならないね。僕に聞きたいことはそれだけ?なら、もう帰りなよ」
「帰りません」
「仲間を連れて来ないと、この先には進めないよ」
「俺は、あなたとは戦いたくないです」
「…はぁ、なら選びなよ」
「選ぶ?」
そう言った足立さんは、俺の額に銃口を向けた。
「僕にこのまま殺されるか、仲間と一緒に来るかを、さ」
「俺は…」
「言っておくけど、僕は本気だよ」
「……」
「早く選べよ」
足立さんが急かすように銃口を押し付けてくる。
死にたいわけじゃない。だとしても、ここで殺されれば、この人と戦わなくて済む。
それなら、俺の選ぶ選択肢は決まってる。
「それで、あなたと戦わなくて済むなら、殺してください」
そう言った直ぐ後に俺は目を瞑ったから、足立さんがどんな表情をしているのか見る事は出来なかった。
「冗談だとでも思ってるわけ?」
「思ってませんし、俺も本気です」
どれくらいの時間が経ったのだろう。
俺に向けられている銃口から、発射音がする事は無い。
今がどんな状況なのかを知るため、俺は瞑っていた目を開けた。
そんな俺の目に映ったのは、複雑な表情をしていた足立さんの顔。
「足立さん?」
足立さんは、俺に向けていた銃をおろした。
急にどうしたのだろうか。
俺が戸惑っていると、腕を引っ張られた。
「え?」
それは一瞬で、気づいた時には、俺は足立さんの腕の中。
「何で…」
「あまり僕を困らせないでよ…」
「そんなつもりは…」
「困らせてるでしょ」
「選べって言ったの、足立さんじゃないですか」
「殺される方を選ぶなんて普通は思わないよ」
「何で選ばないと思ったんですか?」
「誰だって死にたくないでしょ。それとも、僕が撃たないと思った?」
「いえ、本気だと思ったからこそ選んだんです」
「僕に殺される事を?」
「はい」
「即答しないでよ…何で嫌いになってくれないかなぁ、君は」
「…足立さんこそ、俺の事遊びだったんですよね?なのに、どうして?」
「遊びだよ。そのはずだったんだけどねぇ…」
「今は違うんですか?」
「違うと言うより、遊びでもいいと考える君の方がおかしいんだよ」
「それでもいいと思ったんです。あなたと居られるなら」
「君は…どこまで…」
真犯人だと分かった時、もうこんな風に抱きしめてもらえないと思っていた。
それを招いたのが己自身なのは分かってる。
こんな真実なら知りたくは無かった。
何故俺は、あの時、足立さんの名前を告げてしまったのだろう。
告げなければ、こんな事にはなってなかった。
そうじゃないと否定してほしかった。
だから告げた。それが間違いだったのだろうか。
そんな事を考えていると、足立さんは、抱きしめていた俺を引き剥がした。
「話は終わり。いい加減戻りなよ」
「俺は!」
「君が戻らないなら、僕が消えるだけだ」
「!!」
それだけを言うと、足立さんの姿が消えた。
抱きしめられていた時、確かに温もりがあった。
「俺は…どうしたらいいんですか…」
その言葉に、答えが返ってくることは無かった。
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