普段の話から、ゲームの話まで、色々あります。
BL話も入る可能性があります。
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ハロウィン話を書いてみよう。
アルバトロスルキで。
三人でほのぼのっていいよね。
SQ版だと思う。
「アルバさん、ハロウィンって何?」
「ボクも知らないな…。戦士は知ってる?」
「オレも知りません」
「ルキちゃん、それ誰から聞いたの?」
「聞いたわけじゃなくて、この町のあちこちで見かけるから、何かなと思って」
ルキちゃんに言われて、周りを見渡してみると、確かに”ハロウィン”と書かれた物が見えた。
「気になるから、ちょっと聞いてくるよ」
「あ、オレが行きますよ。勇者さんとルキはここで待っていてください」
「いいの?」
「大人しくしててくださいね」
そう言って、戦士は歩いていってしまった。
「この町に入ったときには気づかなかったけど、色々な所にあるね」
「うん。後、かぼちゃを飾ってるのはどうしてかな?」
「さあ? 魔除けとかかな?」
「ロスさんが戻ってくれば分かる事だよね」
「そうだね」
ルキちゃんと二人で話をしていると、戦士が戻ってきた。
「戻りました」
「お帰りー」
「ロスさん、お帰りなさいー」
「それで、”ハロウィン”って何?」
「子供のお祭りみたいです」
「子供の?」
「どうも、子供が仮装をしてお菓子を貰いにいくお祭りらしいです」
「じゃあ、私も仮装したらお菓子貰えるかな?」
「この町の人だけじゃなく、外から来た人間も仮装出来るらしいから大丈夫だろ」
「なら、仮装する! いいよね、アルバさん?」
「うん、いいよ。戦士もいいよな?」
「オレもいいですよ」
「それなら決まり!」
ルキちゃんはすごく嬉しそうだ。
知らないお祭りって言うのが、よけいに楽しみになるのかも。
「勇者さんは、何の仮装をしますか?」
「ボク? 何で?」
「仮装自体は、オレ達も出来ますよ」
「そうなんだ」
「私は、この格好にする!」
「勇者さんは、これなんてどうですか?」
そう言って、戦士がボクの前に持ってきた衣装は…。
「何で女物なんだよ!」
「何でって…勇者さんに似合うと思ったからですが?」
「普通に考えて、似合わないだろ!」
「そんな事はないですよ、似合いますから、これを着てください」
「嫌だよ!」
「チッ、そこまで嫌なら、自分で選んでくださいよ」
それだけ言うと、戦士は自分の衣装を探しに行ってしまった。
絶対に何か企んでた。
けど、何を着ればいいのかな…。
色々見てみるけど、どれを着ればいいのかさっぱり分からない。
ボクが今も悩んでいると、ルキちゃんが声をかけてきた。
「アルバさん、まだ決まってないの?」
声をかけてきたルキちゃんは、可愛い衣装を着ていた。
「ルキちゃんが着ているのは、なんて衣装なの?」
「魔女の衣装だよ」
「魔女?」
「私もよく分からないけど、そう言うんだって」
「そうなんだ、可愛いね」
「ありがとう!」
「アルバさんも、早く決めればいいのに」
「うん…でも…何を着ればいいのか…」
「だから、さっきオレが持ってきた衣装を着ればいいだけでしょう」
「男物の方がいい!」
「我侭ですね」
「でも、ロスさんが持ってきた衣装、私とお揃いだよね?」
「勇者さんなら違和感ないだろ?」
「確かに、ねえ、アルバさん、これにしようよ」
「ルキちゃんまで!」
「私、アルバさんとお揃いがいいなー」
「ぐっ…」
「勇者なのに、子供の願いも聞けないんですか?」
「…恥かくのボクじゃないか」
「そうですね! 今から、勇者さんの嫌がる顔が楽しみです!」
「お前、それが目的かよ!」
「はい!」
「そこまで言われて着るわけ!」
「アルバさん、着てくれないの…?」
「ルキちゃん…。わ、分かったよ、着ればいいんだろ、着れば!」
ボクは、魔女の衣装を手に取ると、更衣室に向かう。
ううー、女物の衣装を着る事になるなんて…。
何でもいいから、選んでおけば良かった…。
アルバさんが更衣室に入ったのを見届けると、ロスさんに気になっている事を聞いてみた。
「あれって、単純にロスさんが見たかっただけだよね?」
「まあな」
「同じ魔女衣装でも、デザイン違ったし」
「たまにはいいだろ」
「それで、ロスさんは何の衣装を着るの?」
「狼男の仮装をするつもりだ」
「どんな格好なの?」
「これをつけるだけの簡単なものだから選んだ」
「獣耳?」
「これだけでいいみたいだからな」
「手軽なの選んだね」
「派手派手しいのは嫌いだ」
「そっか、それはそれとして、アルバさん、出てこないね」
「葛藤してるんだろ」
「出てくる事しか出来ないのにね」
いまだに出てこないアルバさんを待っていると、やっと覚悟を決めたのか、ようやく出てきた。
「遅い」
「遅いよー」
「ごめん…でも…これ…恥ずかしい」
顔を真っ赤にしているアルバさんは、男なのに可愛いと思った。
ロスさんが見たいと思ったのも分かる。
「何で無言なんだよ…。似合ってないのなんて分かってるよ!」
「正直、違和感無い事に驚きました」
「うん、違和感無いね」
「は? いや、どう見ても似合わないからね!」
「まあ、アルバさんが似合う似合わないは置いておいて」
「置いておかないで!」
「早く、お菓子を貰いに行こうよ!」
仮装をするのも楽しいけど、私の目的はお菓子を貰う事だからね。
「待ってよ、ルキちゃん!」
アルバさんが私の後を追いかけてくる。
その後をロスさんがゆっくり歩いてくる。
後ろを歩いているロスさんをチラッと見ると、普段は見せないような顔でアルバさんを見ていた。
たまには、そういう顔をアルバさんに見せればいいのに。
ロスさんって、本当不器用だよね。
「何だ?」
「何でもないよー」
私が言った所で認めないだろうしね。
今はそれよりも、お菓子!
「ああ、そう言えば言い忘れてた」
「何を?」
「お菓子を貰う時、言わないといけない言葉があるんだ」
「どんな言葉?」
「”Trick or treat”と言うと、お菓子を貰えるらしい」
「どんな意味?」
「ご馳走をくれないと悪戯するという意味みたいだ」
「それを言ったら、お菓子貰えるの?」
「貰えなかったら、悪戯してもいいそうだからな」
「”Trick or treat”だね…覚えたよ!」
「覚えた所で、オレは、あそこのベンチで座って待ってますから、二人だけで行ってきてくださいよ」
「戦士は行かないの?」
「そんな年でもないので」
「それなら、ボクも…」
「アルバさん、早く!」
私は、自分の残ると言いそうなアルバさんの手を取る。
「私を一人にしないよね?」
「も、もちろんだよ!」
「そう言ってくれると思った。お菓子、いっぱい貰おうね、アルバさん」
「う、うん…」
「貰ってきたら、ロスさんにも分けてあげるからね!」
「ああ」
アルバさんと二人でお菓子を貰いに行く。
ハロウィンって楽しいお祭りだよね。
今日は、この町に来れて良かった。
アルバさんと一通り回って、お菓子を貰ってきた。
これだけあれば、ロスさんに分けても余るよね。
隣を歩いているアルバさんを見ると、俯いている。
もっと、堂々と歩けばいいのにね。
今も、恥ずかしそうにしているアルバさんと二人で歩きながら、ロスさんが待っている場所に向かっていく。
戦果を見せるために。
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