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一人でも読みたいと言っている方が居る限り、書きますよ!
途中で書き終わってないのが、何個かありますが…。
違うジャンルで…。
よし、そろそろ落ち着こう。
ボクが、シオンのマネージャーになってから、半月が過ぎた。
最初は、何でボクがと思っていたけれど、これはこれで楽しいと思ってる。
今まで知らなかった事とか、色々知る事も出来るし、勉強になる。
まあ、相手が相手だから、大変な事の方が多いけど…。
「アルバさん、何、ボーっとしているんですか、行きますよ」
「今行くよ」
今日の仕事は、雑誌の表紙を飾るための写真を撮る事。
一人で撮られるわけじゃなくて、同じ事務所のクレアさんと一緒の仕事。
シオンとは幼馴染で、昔からの付き合いらしい。
「あ、来た、来た、こっちだよー」
「クレアさん、こんにちは」
「何だ、待ってたのか」
「オレ一人で入っても仕方ないしね」
「いや、入っていてもいいだろ」
「そうなんだけどさ、一人で待ってるのつまらないし」
「一人って、クレアさんのマネージャーさんは?」
「今日も休みー」
「身体の弱い人なんですか?」
「まあ、そんな感じ?」
「何で、曖昧!?」
というより、クレアさんのマネージャーさんに会った事がない。
名前だけは聞いているけど、実際に会えた事がないので、本当に居るのかどうか…。
「あいつの事は気にしなくていいから、行くぞ」
「そうだねー」
二人揃って、スタジオの中に入っていく。
ボクも、急いで後を追った。
シオンって、何でボクには敬語なんだろう?
会った時から敬語だから、誰にでもそうなのかと思ったけど、違うらしい。
名前も呼び捨てにしているけど、”さん付け”した方がいいと思って、それで呼んだら、殴られた。
「何、気持ち悪い呼び方してるんですか、殴りますよ?」
「殴ってから言うなよ!」
「アルバさんが、変な事を言うからでしょ」
「”さん付け”した事が!?」
「今更だと言っているんですよ。 そんなの気にしないで会話してたでしょ」
「その時は知らなかったし…」
「知っていたら、対応変わってたんですか?」
「…変わってないかな?」
「オレに聞かないでくださいよ。 とにかく、呼び捨てでいいです」
「そういうものなの?」
「そういうものですよ」
こういうやり取りがあって、ボクは、シオンには”さん付け”してない。
つけて呼んだら、また殴られそうだから。
何もしなくても、殴られる事の方が多いけど。
こんな事が続けば、ボクの前のマネージャーさんも止めたくなるよね。
だけど、仕事している時のシオンを見ていると、人気があるのも分かる気がする。
勿論、クレアさんも。
男のボクから見ても、二人ともカッコいいからね。
「そろそろ時間かな…」
休憩時間になる前に、お弁当とお茶を貰ってこないと。
クレアさんのマネージャーさんは来てないから、ボクが持ってこよう。
「お弁当とお茶を取りに行ってきますね」
スタッフの人に断りをいれて、お弁当とお茶を受け取りに行く。
取りに行って戻ってきたら、ちょうど休憩時間になったらしい。
二人揃って、椅子に座っているけど、シオンが不機嫌な感じがするのは、ボクの気のせいだろうか?
「アルバ君、お帰りー」
「戻りました。 お弁当とお茶、クレアさんの分も一緒に貰ってきましたから」
「有難う!」
「こっちが、ロスの分…なんだけど…えーと…」
不機嫌な感じがするというか、不機嫌?
何で?
「シーたん、アルバ君に見ていてもらいたかったんだよね」
「何を?」
「クレア、余計な事は言うな」
「怒られちゃった」
仕事しているのを?
それはいつも見てるし、今だって見てたし…。
不機嫌の理由が全く分からない。
「アルバさん」
「な、なに?」
「勝手に居なくなるのやめてもらえませんか?」
「ちゃんと、断ってから行ったよ?」
「行くにしても、休憩時間に入ってからでも遅くないでしょう」
「でも、休憩に入るのと同時の方がいいと思うし」
「あなたは、オレのマネージャーなんですから、ちゃんと最後まで居てくれないと困ります」
そういうものなんだ…。
まだまだ、勉強が足りないな。
「次からは気をつけるよ」
「そうしてください」
「ぷっ、シーたん、分かりやす!」
「分かりやすいって、何がですか?」
「だって、シーたんはアルバ君がす「あ、手が滑った」
そう言って、クレアさんの頭を殴っていた。
顔を殴らない辺り、気をつけているんだと思う。
でも、何を言おうとしたんだろう?
「シーたん、痛いよ!」
「手が滑ったんだ」
「あはは…」
二人での仕事になると、毎回やってる気がする。
気心が知れてるからなのか、仲いいんだよね。
見ているこっちも楽しいからいいけど。
「二人とも、お昼食べないと、時間無くなっちゃいますよ」
「オレはいいです」
「この後も仕事なんだから、食べないと」
「オレは食べておくね」
「仕事が終わったら、アルバさんに作ってもらうんで」
「ボクが!?」
「え、アルバ君の手作り? 料理出来るの?」
「一人暮らしは長いんで、主に自炊してます」
「そうだったんだー、なら、オレもそうしようかな」
「お前は食べてろ」
「シーたんだけずるいよ」
「ボク、作るの確定なの?」
「当たり前じゃないですか。後、 パウンドケーキもお願いします」
「それも作るの? 材料買ってこないと…」
「オレも食べる!」
「お前はいい」
「いやだ、オレも行く!」
まだ、撮影の途中なのに、凄い事になってしまった。
ど、どうしよう。
「あ、あの、ボクは大丈夫だから、クレアさんも一緒で!」
「アルバ君…!」
「何言っているんですか…」
「別に、人数が増えても、手間はかからないし…」
「…チッ」
「シーたん、分かりやすい舌打ちやめて…」
「仕方ない、お前も来ていいぞ」
何とか、収まったらしい。
けど、何でシオンが決めるんだろう?
作るのはボクだし、別にシオンに作らせるわけでもないし。
仕事が終わった後、帰りにスーパーによって、材料を買っていく。
人数が増えたし、鍋にしよう。
パウンドケーキを作るための材料も買ったし、これで文句は言われないだろう。
さて、早く行かないと、またシオンに何かを言われそうだ。
二人が待っている所に戻る。
「遅い」
「そんな事ないと思うけどな」
「これでも、早く来た方だよ!?」
「アルバさんのくせに、オレを待たせるなんて生意気ですよ」
「えー!」
理不尽すぎる!
いや、これがシオンなんだけどさ…。
まあ、いいか。
お腹空いてるだろうし、早く帰ろう。
一人じゃない食事って久しぶりだな。
また、こうして食べられるといいのに…。