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保存していたと思ったら、保存されてなかったよ!
歩みの遅い話だよね。
どっちも好きなくせに、くっつかないよね。
もうそろそろ話を終わらせたいのですが、いつになったら終わるだろうか。
後、更新された戦勇なんですが、シオンさんが無事で良かった!
あの後、何があったのかは説明が欲しいですけどね。
でも、アルバさんとシオンさんが同じコマに居るだけでいいや。
遊園地から戻ってきた後、アルバさんの言った言葉の意味を考えてみた。
あの人は、オレが名前を偽っていた事を知っていた。
知っていて、騙されていてくれた。
何のために騙されていてくれたんだろうか。
気になっている事は聞くのが一番だな。
「アルバさん」
「何?」
「聞きたい事があります」
「その聞きたい事って、ボクがロスの本名を知りたくないって言った事?」
「それもありますけど、今聞きたいのは違います」
「なら、どんな事?」
「オレが名前を偽っているのを知っていて、何で騙されたままでいてくれたんですか?」
「本人が知られたくないと思った事を無理に聞こうとは思わないよ」
「それでいいんですか?」
「いいも何も言いたくなかったんでしょ?」
「それは…」
言いたくなかったんだろうか…。
オレ自身、名前を偽った理由が分からない。
あの時は、気づいたら違う名前を言っていた。
「それに、いきなり現れた悪魔に本名を教える人も居ないよ」
「居ないんですか?」
「…ボクの知ってる限りだと、ロスが初めて、かな」
「普通は違うって事ですね。 なら、名前を偽った時点で指摘しても良かったのでは?」
「指摘してたら教えてくれてた?」
アルバさんに言われて考えてみる。
出会った当初は、アルバさんにこんな感情を持つとは思ってなかった。
あの時なら、一度偽った以上その名前で通していただろうな。
オレ自身、その理由が分かっていなくても。
「教えてなかったと思います」
「そうだよね」
「でも、今は教えてもいいと思ってます」
「それは嬉しいけど、ボクは知りたくないよ」
「何故?」
「……」
「アルバさん?」
「ロスは、ボクが居ない方がいい?」
「何でそうなるんですか? 」
「ロスがボクに本当の名前を教えるって事は、そういう事だよ」
「理解できそうにないので、分かりやすく教えてもらえませんか?」
「…やだ」
「やだって、いきなり子供みたいにならないでくださいよ」
「言いたくない…」
「そうですか、なら、今から本当の名前言いますね」
「知りたくないって言っているのに?」
「アルバさんが教えてくれないからですよ」
「…ロスは」
「言う気になりましたか?」
「ボクのお願い…叶えてくれるんじゃないの?」
「叶えられる事ならと言いませんでしたか?」
「本当の名前を言わないのは、充分叶えられるよね?」
「叶えられますけど、アルバさんが教えてくれないなら叶えられないです」
今まで、オレが質問した事に関しては答えてくれていた。
なのに、今回に限ってだけ答えないのは何でだ?
「ボク、この場所に居たいんだ…」
「居ればいいじゃないですか」
「言ったら、ロス怒るし…」
「怒るかどうかなんて、聞いてみないと分かりませんよ」
「……」
「はぁ…怒らないので言ってください」
「本当に?」
「約束してあげますよ」
オレが怒らないと言った事で、やっと言う気になったらしい。
ここまでしないと言えない事って何だろうか。
「ボク、ロスに黙っていた事があるんだ」
「黙っていた事?」
「ボクとロスの契約なんだけど…」
「契約がどうしました?」
「本当は、契約されてないんだよ」
「そうだったんですか?」
契約がされて無かったって事は、アルバさんはいつでも帰る事が可能って事だよな?
それなのに、ここに居てくれている。
…ああ、そうか、アルバさんが本来住んでいた所は、よっぽど楽しくないんだな。
それなら仕方ないな。
「怒らない?」
「怒る事でもないですよ」
「ロスに嘘をついていたって事だよ?」
「オレも名前を偽ってましたよ」
「ボクの場合は命に関わる事だよ? ロスのとは違うよ」
「変わらないですよ。どんな事であれ、騙していた事には違いないです」
「…ロスって優しいね」
「優しくはないと思いますよ」
「優しいよ」
そう言ってアルバさんは笑っていた。
オレが惹かれたのは、そんなアルバさんの笑った顔。
アルバさんがここに居てくれるというなら、この人が帰りたいと思えるまで一緒にいればいいか。
その時には願いを見つけられるかもしれない。
オレの本当の名前は、その時に言おう。
それか、アルバさんがオレの本名を知りたいと言った時。
アルバさんになら、オレの魂を渡してもいいと思っている。
そう思うくらいには、アルバさんを好きになっているのだから。
おまけ
(アルバさん視点)
契約が成立してなかったのに、ロスは今までと変わらない。
ボクが傍に居る事を許してくれている。
あの時、ボクが”優しい”と言った時、ロスは否定したけど、やっぱり優しいよ。
そんなロスだから、ボクは好きになってしまったんだろうね。
いつものように、リビングでテレビを観ていると、ロスがボクに話しかけてきた。
「アルバさん、オレ何となく分かりましたよ!」
「何が?」
「アルバさんが、契約が成立してないのに、オレの家に居てくれる理由です」
「え?」
ボクがロスの家に居る理由が分かった?
それって、ボクがロスを好きだって事に気づいたって事?
それを表に出していたつもりは無いのに!
何を言われるんだろう…。
「故郷が嫌いだからですよね」
「ん?」
「契約が成立してないのに、アルバさんが居てくれる理由を考えてみたんですよ」
「うん…」
「アルバさん、前に娯楽が少ないって言ってましたけど、たとえそうだとしても、戻って、願いを叶えてほしい別の相手を探せばいいだけだと思うんですよ」
「そうだね…」
「願いを見つけてないオレと居るより、そっちの方が全然いいと思うんですよ」
「……」
「それをしないで、オレの家に居てくれるって事は、故郷が嫌いだからですよね?」
「あはは…」
「?」
全然分かられてなかった!
いや、気づかれて無いならないでいいんだけど、それでもな…。
「えっと、ロスの言うとおり、あんまり好きじゃないんだよ…故郷」
そういう事にしておこう。
別に嫌いでもないけど、勘違いしてるならしてるでいいや。
「ですから、アルバさんが居たいだけ居ていいですからね」
「…ありがとう」
どんどん好きになっていく自分が居るんだよね。
いつか、ロスにこの想いを伝えられるといいんだけどな…。
言ったらどんな反応が返ってくるかな。
ロスの傍に居られなくなるかな…。
やっぱり、このままでいよう。
最後の時まで、ロスの傍に居たいから…。