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普段の話から、ゲームの話まで、色々あります。 BL話も入る可能性があります。
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これで、最後にする予定。
というか、最後にする!
前回も同じような事を書いてますけどね。
ちなみに、強くてニューゲーム…どう終わらせたらいいのか分かりません。
途中で消える可能性大です。



アルバさんがオレの前から消えてから1年経った。
オレはもう一度出会うために、色々な古本屋を巡って本を探し回った。
何処を探しても本は見つからない。
アルバさんが見つからない。

「何で見つからない!」

今は叶えたい願いがある。
興味本位で召喚した時とは違う。
アルバさんが居る時に、願いが思いつかなくて当然だった。
アルバさんが居た時点で、オレの願いが叶っていた。
だから出てこないのか?
そうだとしたら、本当に会う事が出来ない事になる。
考えろ、もう一度アルバさんに会うための方法を。

「そう言えば…本が無いと召喚出来ないんだろうか」

あの時は、ちゃんとした材料じゃなく、ありあわせで召喚した。
本来あの材料で召喚されるわけが無かったわけだが。
召喚の方法の材料は覚えている。
ちゃんとした材料を揃えれば、本が無くても出来るんじゃないか?
本が無いと出来ないと思い込んでいたが、試してみる価値はある。
あの召喚方法はアルバさんを喚びだす為の物のはず。
アルバさんがそう言っていた。
なら、可能性はある。
材料を集めて試そうとした時、クレアが声をかけてきた。

「シーたん」

「何か用か?」

「これって、前にシーたんが持っていた本じゃない?」

クレアがオレに見せたのは、間違いなくあの本だ。
オレとアルバさんが出会った本。

「お前、これをどこで?」

「ふらりと入った古本屋に置いてあったんだよね」

「お前が?」

「オレも不思議なんだけど、何となく入りたくなったんだよ」

…本に選ばれたからか?
確か、願いを叶えてもらいたい相手の所に本は移動する。
クレアの願いに本が反応したって事か。

「クレア」

「何?」

「変な事を聞くが、何か物凄く叶えたい願いでもあるのか?」

「願い?」

「ああ」

「あるよ」

「そうか…」

だからといって、本を使わせるわけにもいかないな。
オレみたいに、興味本位で召喚してしまうかもしれない。

「なあ、その本、オレが貰ってもいいか? 本のお金も払う」

「お金は要らないよ。 元々、シーたんに渡そうと思ってたし」

「オレに?」

「シーたんが、古本屋巡りをしてたのは知ってたからね」

「分かりやすかったか?」

「分かりやすいというか、いつものシーたんとは違ってたから気にはなってたかな」

「…これをオレに渡す事で、どうしても叶えたい願いは叶えられないかもしれないぞ?」

「? よく分からないけど、オレの願いはもう叶ってるよ」

「叶ってる?」

「オレの願いは、シーたんが昔みたいに戻りますようにだったからだよ」

「何だそれ」

「1年前から、シーたん、あんまり笑わなくなってた事に気づいてた?」

「いや…」

「周りは気づかなくても、オレは気づくよ。 幼馴染なんだから」

「…心配かけてたみたいだな」

「何があったかは聞かないけど、この本を持ってくるだけでシーたんに笑顔が戻った。それだけで充分だよ」

「クレア、有難う。 上手くいったら何か奢ってやる」

オレは、クレアに礼を言うと、その場から離れた。
必要な材料を集めるためだ。
今回は、あの時と違う。
ちゃんとした材料を集める。
アルバさんに確実に会う為に。

「何とか集まったな」

近場だと置いてないから、色々調べて探し回った。
本をクレアに貰ってから、1週間経った。
本当ならもう少し早く召喚したかったが、材料を集めるのに手間取ったのがな…。

「よし、これでいい」

オレは最後に自分の血を入れると、呪文を唱えた。
唱え終わった後、オレの前に現れたのは、あの時と変わらない姿をしたアルバさんだった。

「ボクを召喚したのはき、みって…な、なんで!?」

「あ、やっぱり出てくる時はその喋り方なんですね!」

「そうだけどって、だから、何でロスが!?」

「オレが召喚したからに決まってるでしょ」

「本が無いのにどうやって…」

「本が無くても平気ですよ。オレは全部記憶してましたから」

「え!?」

「どれだけ探しても本が見つからないので、最終的には本無しで召喚に挑戦しようと思ってました」

「本、見つかったの?」

「オレが見つけたわけじゃないですけどね」

「そうなんだ」

「アルバさん」

「な、なに?」

「召喚されたんですから、オレの願い叶えてくれますよね?」

「ボクは…叶えたくない!」

「悪魔なのに、召喚者の願いを叶えないってどういう事ですか!」

「嫌なものは嫌だ!」

「オレは叶えてもらいたいんです!」

「何でだよ…」

「アルバさんにしか叶えられないからです」

「なら…本当の名前は言わないなら聞くよ」

「言わないので、聞いてください」

「…うん」

何で、ここまで拒否するんだ、この人は。
叶え終わったら、オレの魂が手に入るのだから、喜べばいいのに。

「オレがアルバさんに叶えてもらいたい願いは一つだけです」

「……」

「オレが死ぬ最後の刻まで、オレの傍にずっと居てください」

「そ、それって、どういう意味?」

「オレは、アルバさんが好きです」

「!??」

アルバさんの驚いた顔が見える。
普通に考えれば驚くのは当然だろう。
いきなり男に告白されるなんて思わないだろう。
どう思われてもいい、今言っておかないと後悔すると思った。
あの時、アルバさんが消えた時のような事にはなりたくない。

「本当は、言うつもりは無かったんですよ。 いつかは離れなくてはいけない人で、好きだと気づいても、アルバさんを困らせたくなくて、近づき過ぎないように気をつけたりもしました」

「そ、そうなんだ」

「そう思っていても、近づき過ぎないようにするなんて出来なかったんですけどね」

「ロス…」

「オレは、もう二度とアルバさんと離れたくないんです。 ですから、オレの願い叶えてください、アルバさん」

オレはアルバさんの返答を待っていた。
あんなに、オレの願いを叶えたくないと言っていたのだから、どんな答えが返ってくるのかは分からない。
どうか、否定しないでください、アルバさん。

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牧場物語、乙女ゲー、一般ゲームをメインに活動しています。
最初は、乙女ゲーだけだったんですが、ジャンルがどんどん増えました。

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