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普段の話から、ゲームの話まで、色々あります。 BL話も入る可能性があります。
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途中まではシリアスだったのに、最後の最後でアレだからね。
さすが先生だよ(笑)
でも、アルバさんとロスさんが不足気味だ…。
2週間後の更新では、二人とも出てくるといいけどね。
それまでは、シリウス版を読んで補おう。

さて、強くてニューゲームの続きを書いてみる。
終わりがあるかどうかも分からない話しだよ。



ボクは、自分の意思で選んで、後悔しないと決めたはずなのに、後悔し始めている気がする。
ロスとの旅は楽しい。でも、ボクが捨てたあの世界の人達はどうなんだろう。
ボクが居なくなるのと同時に、彼らからボクの記憶は消えているんだろうか?
消えているといいな…。
残っていても、そこにボクは居ない。
まあ、ボクが居なくても支障はないかもしれないけど。
自分で言ってて悲しくなってきた。

「アホ面晒して何しているんですか?」

「へ?」

「へ?じゃないですよ。今から漆黒の洞窟に向かうんでしょう」

「あ、うん、そうだね」

今からボク達は漆黒の洞窟に向かっている。
やっぱり、同じ事の繰り返しになるんだろうか?
ボクは全部覚えている。
なら、それを回避してもいいよね。
そうじゃないと、あの世界を捨ててまで戻ってきた意味が無い。

「なあ、戦士」

「何ですか?」

「漆黒の洞窟に行く前に寄り道してもいい?」

「どこに行くんですか?」

「そんなに時間はかからないから、戦士はここで待っててよ」

「は?」

「じゃあ、ちょっと行ってくるね」

「勇者さん!」

あの時と一緒なら、多分ここら辺を歩いていけば…。
そんな事を考えながら歩いていると、遠くの方から見覚えある姿が見えた。

「居た、ルキちゃんだ」

ロスと初対面だったように、ルキちゃんとも初対面だ。
ボクは、出会い方に違いはあれど、やっぱりルキちゃんを含めた三人で旅をしたいんだ。
ボクが捨てた世界では出来なかった事をしたい。
向こうから近づいてくるルキちゃんに声をかけようとした時、ルキちゃんが倒れこんだ。

「わっ、大丈夫!」

「ファ、ファン○グレープが飲みたい」

「え?」

あ、そういえばそうだった。
と、とにかく、ロスの所に連れて行こう。

「嫌だろうけど、少しだけ我慢してね」

「?」

ボクはルキちゃんを抱き上げると、走り出した。
戦士を待たせているからだ。

「勇者さん、遅い、ですって…まさか、幼女を誘拐してくるのが、寄り道だったとは…」

「違うからね! この子が倒れたんだよ」

「戦士はこの子の様子を見てて、ボクは飲み物を買ってくるから」

「分かりました」

ボクは急いでルキちゃんが欲しがっている飲み物を買いに行った。
帰ってくると、どうやら気がついてはいるらしい。

「はい、買ってきたよ」

「ありがとう!」

ボクから飲み物を受け取ると、勢いよく飲み始めた。
炭酸なのに、大丈夫かな…。
飲み終わると、ボクの記憶にあるやり取りが始まった。
この後、ボクは手違いとはいえルキちゃんの服を脱がしてしまって、捕まるんだけど…。
やっぱり、捕まっておくべきなのかな…。
でも、そうしないとルキちゃんがボク達の旅についてくる理由が出来ない。
だとしたら、するべきなんだろう。
でも、それをしてしまえば、三人で旅が出来ないかもしれない。

「じゃあ、私は行きますね」

「待って!」

「?」

「君が三代目魔王だって言うのは分かったけど、何で一人で旅をしているのか教えてよ」

「どうして?」

「何か理由があると思ったから」

「勇者さん、一応そいつ倒す対象ですよね?」

「そうだけど、そんなに悪い奴が一人で旅なんてしてるわけが無いだろ? だとしたら、何か理由があるとしか思えなかったんだよ」

理由なんて知ってる。
それを引き起こしたのが誰なのかも。
でも、ボクは知らないフリをする。

「君さえ良かったらだけど…」

その言葉が決定的になったらしい。
ルキちゃんは、一人で旅をしている理由を話してくれた。
ボク達は、それを聞いて手伝う事を決めた。
勿論、ルキちゃんの服も見覚えのある服になった。
ボクが先頭で、ルキちゃんと戦士は後ろに居る。
ボクは、自分でも気づかない内に笑っていたらしい。
三人で旅が出来るのが嬉しくて。
だから油断していたんだ、あの時とは違う生き方になると信じてた。
でも、そうはならなかった。
だって、ボク達は今、牢屋に居るからだ。

「何で…」

「勇者さんの行いのせいじゃないですか?」

「ボクは何もしてないよね!?」

「私のせいだよね?」

「ルキちゃんは何も悪くないよ!」

「けど、どこから洩れたんですかね、オレ達が魔王に協力した事」

そうなのだ、ボク達がルキちゃんに協力しようと決めた矢先の事。
なぜか、ボクの手配書が配られていた。
魔王協力をしているという理由で。
本来なら、ボクが捕まって、ロスに助け出されて、その後に、フォイフォイさんとルドルフさんが来る。
その一連の流れがあって、初めて手配書が配られるはずなのに。
今回は、フォイフォイさんもルドルフさんとも出会ってない。
だから、ボク達がルキちゃんに協力した事がばれるはずが無い。
それなのに、どうして…?

「いつまでも、ここに居ても仕方ないですし、ルキのゲートで逃げましょうよ」

「駄目だよ、ボクだけならいいけど、戦士やルキちゃんまで手配されちゃうよ。それは嫌だ」

「勇者さん…」
「アルバさん…」

「なら、どうするんですか?」

「ルキちゃんは悪い魔王じゃないって事を、根気よく説明するしかないよ」

「その間、ここに居続けるって事ですよ?」

「なら、戦士とルキちゃんだけでも逃げて」

「そういう事なら、お言葉に甘えさせてもらいます!」

「ありがとう、アルバさん!」

「躊躇無いな! まあ、いいけど。 手配されてるのはボクだけだから、大丈夫だと思うよ」

「冗談ですよ、そんな事するわけないでしょう」

「あ、冗談だったんだ」

「気にしなくていいよ。ボクは慣れてるから」

「牢暮らしにですか?」

「ああ、うん…。前に話した事あるだろ? 前世の記憶があるって」

「そうなの?」

「話してましたね」

「前世でのボクは、強すぎる力のせいで、ずっと牢屋の中で暮らしていたんだ」

「何で、また?」

「その力を持った事は後悔してないよ? そのおかげで、大事な奴は助けられたから」

「そうなんだ、でも、それで何で、牢屋の中なの?」

「それはボクにも良く分からないけど、自由に外に出る事も出来なかったんだよね。 それも、自分の意思で入っていたんだけど」

「自分の意思で牢屋に入るなんて、勇者さん…そんなに牢屋が好きだったんですね!」

「違うからね! でも、そうする事で世界が守られるならそれでいいと思ったんだよ」

「過去形なの?」

「その後の事は覚えてないんだよね…思い出した所もあれば、思い出せない所もあってさ」

前世と言っているけれど、これは本当にあった事だ。
でも、前世ってつけると、何でも話していい気がしてくるから不思議だ。

「だから、ボクは前世で一人で過ごす事は平気だから、二人は脱出してよ」

これは本当の事だ。
二人を巻き込みたくない。
そうでなければ、ボクは…。
それなのに、ロスから出たのは全く違う言葉だった。

この人は何を言っているんだ?
一人で過ごすのが平気?
そんな訳が無いだろ!
今、ここでこの人を一人にしたら駄目だ。
オレの勘がそう告げている。

「…ルキ」

「何、ロスさん?」

「お前は脱出しろ」

「いや、お前も行けよ!」

「断ります!」

「何で!?」

何で、そんなのオレにも分かりませんよ。
分かりませんけど、あなたを一人にするなんて出来ない。
直接言うつもりはないが。

「ルキの事を助けるといったのに、それを放棄するんですか?」

「そんなつもりは無いよ! ただ、いつ出られるか分からないから…」

「だから、オレが居てあげますよ」

「それが分からないんだってば!」

「そこまで理由が知りたいんですか?」

「知りたいよ!」

「なら言ってあげます」

「う、うん」

「オレは…勇者さんの…」

「ボクの?」
 
嫌がる顔を見るのが好きだからです!」

「聞くんじゃなかった!」

「だから、一人にしてあげません」

「それなら、私も居るよ」

「ルキちゃん…」

「アルバさんとロスさんが手伝ってくれるって言ったんだからね」

その言葉を聞いて、”仕方ないな”と言いながら笑っていた。
オレは、この表情が見れなくなるのが嫌だった。
勇者さんは笑っていたかと思えば、急に遠くを見ることがある。
その時だけは、オレが知らない表情をする。
オレには見せない表情。
本人は気づかれて無いと思っているんだろうな。
あなたにそんな顔をさせているのは誰なんですか?
もし、前世の記憶って言うのが、あなたを縛っているのなら、そんな記憶消えてしまえばいいのに。
そうすれば、あんな表情の勇者さんを見なくてすむ。
オレは、自分が思っているよりも、勇者さんが好きみたいですよ。
誰かを好きになる…そんな資格…オレにはないのにな…。

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牧場物語、乙女ゲー、一般ゲームをメインに活動しています。
最初は、乙女ゲーだけだったんですが、ジャンルがどんどん増えました。

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