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今回は、普通に載せても大丈夫だと思うから、先に日記に載せてみる。
続きからですね。
まあ、アドレスコピペの場合は…続きクリックは意味ないんですけど(笑
【お互いに譲れないなら…】
「兄さん!」
「ディルカ、どうしたんですか?」
「オレ…兄さんに言っておきたいことがあるんだ」
「ボクにですか?」
「そう、兄さんに」
「言いたい事とは、なんですか?」
「オレ…ミィナが好きなんだ!」
「?!!」
「だから、もし…オレとミィナの仲が上手くいったら…」
「ディルカ」
「何だよ、兄さん?」
「ボクは…その先を聞いても、応援する事は出来ません」
「何でだよ…」
「ボクも、ミィナさんが好きだからです」
「兄さん、も?」
「ええ、ボクも、ミィナさんが好きなんです」
「けど!」
「ディルカの好きになった女性なら、応援したいと思っています。
ですが、それが彼女なのだとしたら、無理です」
「兄さんと同じ人を好きになるとは思わなかったよ…」
「ボクもです、ディルカ…」
「……」
「……」
「さて、こうなると困りましたね」
「オレは、譲るつもりはないぜ?」
「ボクもありませんよ」
「兄さんも好きなら、他の奴も好きになっている奴いるかもな」
「いるでしょうね」
「他の奴に奪われるのは嫌だな、オレ」
「ボクもですよ」
「それなら、どうするんだよ?」
「…ボクもディルカも譲れないのなら…二人で分け合えばいいと思いませんか?」
「分け合うって…」
「ボクとディルカで、彼女を愛せばいいんですよ」
「オレ達のにするって事か?」
「そうです」
「けど、それは…」
「ディルカは、彼女が別の人間に奪われてもいいんですか?」
「嫌だ!」
「なら、行動に起こすしかないでしょう」
「そんな事をして、あいつに嫌われたら…」
「嫌われても気にしなければいいんです、一度でも抱いてしまえば、ボク達からは逃げれませんからね」
「兄さん…ちょっと考え方が怖いぜ?」
「ボクは、それを実行に移します。
ディルカは、どうするんですか?」
「…オレも…参加するよ…」
「ディルカなら、そう言ってくれると思ってました」
「で、どうやって?」
「彼女は人を疑う事を知りませんからね、すぐに連れて来れますよ。
連れて来れなくても、彼女の方から来る可能性もありますしね」
”今日は台風ですから”
兄さんが言った言葉。
台風の日なら、なお更来ないんじゃないだろうか?
だけど、そんなのは気にしないで来てたな、あいつ。
なら、兄さんの言った通り来るかもしれない。
来てほしいけど、来ないでほしいと思ってる自分がいる。
けど、誰か別の奴の物になるなら…。
「さて、その前に決めておきましょう」
「何を?」
「どっちが前で、どっちが後ろになるのかをですよ」
「なっ!??」
やっぱり、兄さんは大人だなって思うな…。
そんな事を聞かれても、どっちがいいかなんて…分かるかよ。
「オレは…どっちでも…」
「そうですか、なら…ボクが前になりますから、ディルカは後ろからですね」
「…分かったよ、兄さん」
こうして考えていって気付いたんだけど、オレ…初めてなんだよな…。
兄さんは…どうなんだろうか?
そんな時聞こえた、ノックの音。
こんな日に、外に出る奴なんて限られてる。
「噂をすればですね」
「本当に来るのかよ…」
「この台風ですから、他の人間は来ません。
強風で、声もかき消されるでしょうね」
兄さんは嬉しそうだ。
こんな兄さんを、オレは見たことがない。
同じ人を好きになった。
オレも兄さんも、あいつを諦める事なんて出来ない。
だとすれば…これが一番いいのかもしれない。
オレと兄さんだけの物にしてしまえば…。
どんなに泣き叫んでも、あいつの声は…外には聴こえる事はない。