[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今度こそ頑張ろう。
執事ディルカ!
パロディですよ?
_________________
【不慣れなりに】
「オレ、何でこんな事してるんだろうな…」
今、オレは執事というものをやっている。
どうして、執事をしているのか、それは少し前までさかのぼる。
―1ヶ月前
「何か、金になりそうな働き先ないかな」
オレは、兄さんの誕生日プレゼントを買うために、短期間のバイトを探していた。
そこで、偶然見つけた張り紙。
「執事募集…? なんだこれ?」
気になったので、読み進めていく。
「へぇー、結構いい待遇なんだな」
これに受けてみようか…。
けどな、執事って…何をすればいいんだ?
それが分からないんだよな…。
…やっぱり、受けてみるか。
落ちたら、落ちたらだしな。
そして、今に至る。
執事募集の張り紙を見て、連絡したのがオレだけだったからだ。
面接も何もなく、即決まった。
それでいいのか?とも思ったが、お金が貯まるまでの間の事だと思って、働く事にした。
それが間違いだったとも思ったけどな。
「こんなに覚える事があるとは思わなかったぜ…」
執事の仕事を覚えるのが、こんなにも厳しいとは思わなかった。
知ってたら、もっと違う働き先を考えた。
最初の給料をもらったら、辞めようと思ったんだよな。
オレには向かないと思ったからだ。
だけど、彼女に会ってしまった。
「新しい人?」
「そうだけど…」
誰なんだ、この子?
「そうなんだ…久しぶりに新しい人を見たよ」
「どういう意味なんだ?」
「あのね、募集すると何人か来るんだけど…すぐに辞めちゃうの」
「何で辞めちゃうんだ?」
「うーん…耐え切れなくなって…かな?」
「あー、確かに色々覚える事が多くて、大変だもんな」
「それもあるんだけど、お兄ちゃんがね…」
「お兄ちゃん…?」
「うん、ここの屋敷の持ち主なんだけどね」
「持ち主…?」
「あなたは、まだ会った事ない?」
「オレは、全部覚えてるわけじゃないから…まだ、屋敷の主人に会わせるのは早いって言われて…」
…ここの持ち主が兄って事は…この子は!?
「悪い!じゃなくて、申し訳、ありません…でした」
「急にどうしたの?」
「いや、だって…お前…じゃなくて、あなたは、オレが仕える人の一人です、から」
まさか、この家の住人だったなんて…知らなかったとはいえ、ため口だったぞ。
しかし、言い馴れないな…この喋り方。
ずっと、こうしないといけないのか?
辞めたくなる奴の気持ちも分かるな。
オレだって、それは考えたし。
「…あのね?」
「な、んでしょうか?」
「言いにくいなら、無理しなくてもいいよ?」
「そういう、わけには…」
「じゃあ…私と二人で話す時は、普段のあなたの喋り方で話して」
「何でだ?じゃなくて…どうしして、ですか?」
「だって、私と同年代の人に敬語使われるなんて嫌なんだもの」
「いいのか?」
「私は、そっちの方が嬉しいな」
「じゃあ、そうさせてもらうな!」
「他の人がいるときは気をつけてね?」
「分かってるよ、気をつける」
なんとなく、このまま続けてもいいかなと思えた。
彼女に会うまでは、あんなに辞めたいと思っていたのにな…。
「 あっ、そういえば…あなたの名前を教えて?」
そういえば、自己紹介も何もしてなかった。
「オレはディルカっていうんだ、よろしくな!」
「いい名前だね、ディルカ、これからもよろしくね!」
最初は失敗したと思った、けど、彼女と話せるなら、このまま続けてもいいかもしれない。
まだ慣れないけれど、彼女のために頑張ろうと思う。
________________________
執事ディルカのつもり。
敬語…似合わないよね、ディルカって…。