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アルバ誕生日話の続き~。
今回は、ロスとルキも出てきます。
いつものように、勇者さん一人をおいて、ルキと二人で行動している時の事。
宿屋も見つかり、勇者さんを迎えに行こうと思った矢先、ヤアヌに出会った。

「さて、アルバさんを迎えに行こう~」

「さすがに、待たせすぎてるからな」

「ちょっと待つでござる」

「あ、ヤヌアさんだ、こんばんは。ミーちゃんはいないの?」

「何してんだ?勇者さんならいないぞ?」

「ミーちゃんは、お休みの時間で、そして、アルバがいないのも知っているでござる」

「そうなんだ、じゃあ、何で話しかけてきたの?」

「そこでござる! 拙者達はさっきまでアルバと話していたのでござる」

「は? 何でお前が勇者さんと話してるんだ?」

「一人でいる所を見かけたので、戦いを挑むためでござる」

「戦ったの?」

「戦おうとしたら、アルバの元気が無かったのでござるよ」

「勇者さんの元気が無い? オレ達がここに来る前は、普通だったぞ?」

「うん、普通に送り出してくれたよ?」

「我慢していたのでござろう」

「話が見えないんだが、いったい何が言いたいんだ?」

「今日は、アルバの誕生日なのでござる」

「え?」
「は?」

「まあ、教えてなかったから仕方ないとは言っていたでござるが…」

勇者さんの誕生日…?
今日が?
あの人は…何でそんな大事な事を言わないんだ!

「それもあって、一人で誕生日を過ごすのが寂しいから、話し相手になってくれと言われたのござる」

「へぇー…」

オレ達には言わないけど、自分の命を狙ってる勇者候補には言えるって事か…。

「じゃあ、今の時間までずっと話し相手になってあげてたの?」

「そうでござる」

「何で、私達には言ってくれなかったんだろう?」

「誰にも言ってないと思うでござるよ?」

「何で?」

「拙者達も、改めて理由を聞いて初めて知った事でござるからな」

「今からだと、何も用意出来ないよ…」

「多分、何も要らないと思うでござるよ」

「そう思うのは?」

「アルバは、一人で過ごしたくないだけなので、二人と一緒に過ごすだけで喜ぶと思うでござる」

ヤヌアの話は、途中から聞いてなかった。
オレは、勇者さんの所に向かっていたからだ。

「あれ? ロスさんがいない?」

「本当でござるな、どこに行ったのでござろう?」

「うーん…きっと、アルバさんを迎えに行ったんだと思う」

「それなら安心でござるな」

あんまり安心出来ないよ…。
ロスさん、途中から怒ってたし…。
アルバさんに、何もしないといいけどね。

「…先に宿に戻ろう」

「送っていかなくても大丈夫でござるか?」

「大丈夫だよ、すぐそこだから。ヤアヌさん、教えてくれてありがとう」

「いいでござるよ、では、さらばでござる!」

ヤヌアさんは、帰っていった。
アルバさんも教えてくれれば良かったのに…。
ヤヌアさんに言われた言葉を思いだしていた。

「一緒に過ごすだけで…うん!」

ロスさんとアルバさんが戻って来たら、話そう。
誕生日が過ぎるまで、まだあるしね。

その頃、町の外で待っていたアルバの傍に、一つの影が見えた。

「勇者さん…」

「うわっ! な、んだ、戦士か…気配を消して話しかけるのやめてくれないかな?」

「わざとです」

「って、戦士、なんか怒ってない…?」

「はい、ものすごく怒ってます」

オレは、ニコニコしていた。
普通だったら気づかないだろうが、一緒に旅をしている勇者さんには気づくだろ。
今のオレの笑顔が、怒っている時にでるものだというのを。

「ボク、おとなしく待っていたよね?! 何で、怒られてるの?!」

「勇者さん、一発殴らせてください」

そういうと、返答を待たずに頬を殴った。

「いったぁ! まだ、何も言ってないよ!」

「知ってます」

「もう、なんだよ、何でボクが殴られてるんだよ…」

「身に覚えがないと?」

「ないよ!」

「今日、勇者さんの誕生日らしいですね」

「何で、戦士が知ってるの?」

”ボク、教えてなかったよね…”とか言いながら、勇者さんがぶつぶつ言っている。

「ヤヌアに聞きました」

「ヤヌアさんが教えたの!?」

「どうして、オレ達に教えてくれなかったんですか?」

「…ひょっとして、戦士が怒ってるのって…」

「そうですよ、一緒に旅をしているオレ達には言わず、自分の命を狙ってる相手に言った事に怒ってます」

「いや、だって…」

「何で、言わなかったんですか?」

「あんまり言う事でもないかと思って…」

「それを決めるのは、勇者さんなんですか?」

「ボクの誕生日なんて知っても、特に興味持たないだろうなと思ってたし…」

「…はぁ」

「何でため息なんだよ…」

「呆れてるんです」

「言わなかったのは悪かったけど、後でちゃんと言おうと思ってたからね!」

「次の日になって言われても困りますよ」

「…言ったら、ボクを一人にしなかった?」

「しないですよ、傍にいて罵ってあげます」

「誕生日なのに!?」

「誕生日だからこそですよ」

「…ごめん」

「もういいです、さっさと行きますよ」

「どこに?」

「町の宿屋に決まってるでしょう」

「ボク、入って大丈夫?」

「大丈夫です」

その言葉を聞いて安心したのか、オレの後を付いてくる勇者さん。
勇者さんからしてみれば、これくらいで怒るのがおかしいと思っているんだろう。
そうじゃないだろう。
後から知らされるこっちの身にもなってほしい。

そう思いながら、ルキが待っている宿屋に向かう。
後の話は、ルキも交えて話すべきだろうと思ったからだ。

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牧場物語、乙女ゲー、一般ゲームをメインに活動しています。
最初は、乙女ゲーだけだったんですが、ジャンルがどんどん増えました。

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