[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
違う話の続きを書いていたので、間が空いてしまいました。
こっちを早く終わらせないと。
ロスアルのつもりで書いているんだけど、中々くっつかないね。
書いているの私だけどさ。
アルバさんと暮らし始めてから、1ヶ月が経った。
オレは、今も、願いが決まっていない。
オレ自身が気づかない願いが何なのか、それすらも分かってない。
ただ、時だけが過ぎていく。
そんな中、この人はと言うと…。
「アルバさん、馴染みすぎじゃないですか?」
「何が?」
「何って…」
ソファーに座って寛ぐだけならまだいい。
普通に考えて、テレビを観て楽しむってどうなんだ?
「人間の世界にって意味ですよ」
「いつも、願いを叶えたらすぐに戻るから、ここまで長居した事ないんだよ」
「だから?」
「向こうじゃ見ないものばかりだし、楽しいんだよね」
「娯楽とかないんですか?」
「あるけど、人間の世界ほど面白いものはないね」
「オレからしてみると、普通なんですけど」
「ロスからしてみたらそうだろうね」
「それを聞いて、悪魔の世界は面白みが無いんだなというのは分かりました」
それなら、テレビを観て寛いだりするのも仕方ないと思う。
余計な一言さえなかったらの話だが。
「あのさ、ロス」
「何ですか?」
「願い、無理して考えようとしなくていいからね?」
この話の流れから、何故そこに行く。
「それは、アルバさんが人間の世界を楽しみたいからですか?」
「違うよ!」
「…本当ですか?」
「…えーと」
目が泳ぎ始めた。
「アルバさん…」
「ほ、ほら、何かしらの願い事は持っているのはわかってる事だし、無理して思い出そうとしても、ね?」
「本音は?」
「すみません、人間の世界が楽しくて、まだ帰りたくないだけです」
「余計なこと言わないで、最初からそう言えばいいでしょう」
「…ごめんなさい」
「別にいいですよ、アルバさんの事をまた知ることが出来ましたから」
アルバさんと過ごすのは楽しい。
この人の事を知れば知るほど惹かれていく。
惹かれたら駄目だと分かっているのに…。
そんなオレを、驚いたように見ているアルバさんに気づいた。
「驚いた顔をしてどうしました?」
「……っ」
驚いたかと思えば、急にそっぽ向いた。
「アルバさん?」
「な、なんでもない! 先に、お風呂入ってもいい?」
「どうぞ」
「なら、先に入らせてもらうね!」
今まで出した事のないくらいのスピードで風呂場に向かって行った。
「アルバさんにしては珍しい反応だな」
珍しいというか、あんなに挙動不審なのは初めてじゃないか?
「まあ、いいか」
アルバさんの着替えを風呂場に持っていくか。
何も持たずに入って、風呂から上がったらどうするつもりだったんだ?
あの人の事だから何も考えてなかったっぽいな。
それが分かるくらいには、仲良くなっている。
仲良くしすぎないよう、距離を保たないと。
いつか離れる人なんだから…。
おまけ
(アルバさん視点)
何だよ、あれ!
今まで、あんな風に笑ってくれた事無かったじゃないか!
あの笑い方は反則だ…。
ボクは、赤くなった顔を見られたくなくて逃げてきてしまった。
変な風に思われなかったんだろうか?
お風呂に入りながら、ロスの事を考える。
「感情移入のしすぎか…」
あの時、ロスにそう言われた時、否定出来なかった。
言われた通り、自分でも自覚している。
今までの召喚者とは違う。
それだけ一緒に過ごしているって事なんだよね。
それに、ロスの願い事。
本が選んだって事は、何かの強い願いを持っているはずなんだ。
ただ、本人にその自覚が無い。
多分、ロス自身がそれを否定してる。
それは、自分の叶えてもらいたい願いじゃないんだと。
それをボクが言っても意味は無い。
本人自身の願いじゃないと意味が無いから。
でも、まだ気づいてほしくない自分が居る。
ロスが、叶えてもらいたい願いに気づいてしまえば、この生活が終わる。
あんなのは建て前に過ぎない。
ボクが、ロスとまだ過ごしていたいだけだ。
人間を好きになるなんて、悪魔失格だよね…。
もう少し、もう少しだけ、ロスとの生活を続けたい。
あいつの、ロスの傍に居たいから…。